PDFは営業資料や技術文書を配布しやすい一方、スキャン画像、複雑な段組み、埋め込みフォント、表、フォームによって翻訳工程が変わります。まず文書の用途と原本の状態を確認します。
PDFのまま届けるか、HTMLも用意するか決める
印刷、署名、固定レイアウト、正式な版の配布が目的ならPDFが適しています。検索流入、スマートフォン閲覧、頻繁な更新、ページ内導線が重要なら、主要内容をHTMLでも公開し、PDFをダウンロード版として添える方法を検討します。
対象読者が最初に必要とする概要、価格、問い合わせ、更新日をHTMLへ置けば、文書を開く前に判断できます。PDFしかない重要情報は、サイト内検索や分析でも見えにくくなります。
テキストレイヤーと文書構造を診断する
文字を選択・検索できるか、読み順が自然か、表や脚注が抽出できるか、フォントが対象言語を含むかを確認します。スキャンPDFはOCRと原本照合が必要で、数字や型番の誤認をそのまま翻訳へ渡さないようにします。
totioで扱うPDFは、現在テキストレイヤーがある20MB以下のファイルが対象で、OCRには対応していません。20ページを超える文書は分割して翻訳後に結合するため、章・ページ番号・目次の連続性も確認します。
- 選択・検索できるテキストレイヤー
- 見出し、段落、表、注釈の読み順
- 対象言語の文字を含むフォント
- リンク、目次、ページ番号、フォームの動作
翻訳後に再組版し、実寸で校正する
翻訳すると行数や改ページ位置が変わります。文字を極端に縮小せず、欄幅、行間、図表、注釈位置を調整し、見出しと本文の対応を保ちます。仕様書では数値、単位、品番、相互参照を文章とは別に照合します。
訳文の意味確認と組版確認は分けて記録します。言語担当が正しい訳を承認しても、文字切れや重なり、リンク切れがあれば完成ではありません。
言語指定・検索導線・版管理を整える
PDFの文書タイトル、言語、タグ、見出し構造、代替テキスト、リンクを設定し、キーボード操作と読み上げ順を確認します。公開ページではファイル形式、容量、言語、更新日をリンク付近に表示します。
言語別ファイル名と恒久URLを決め、旧版の扱い、差し替え担当、原文との版対応を台帳化します。更新されたPDFを公開したら、サイトマップ、内部リンク、ダウンロード計測も確認します。
実行前に押さえる要点
- 検索・モバイル・更新が重要な内容はHTMLでも提供し、PDFの役割を明確にする。
- 翻訳前にテキストレイヤー、読み順、フォント、表、リンクを診断する。
- 訳文校正と再組版校正を分け、言語指定、アクセシビリティ、版管理まで確認する。